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  • 山口航平,添野太朗

ORF 2017


11/22、23の二日間に渡り東京ミッドタウンにて開催された「慶應義塾大学SFC Open Research Forum(ORF) 2017」に参加・出展しました。

今回の大木研は、「デイズアフター巨大災害 SFC物語」がテーマです。

まず、被災した一人一人が事前に備えておくべきアイテムや、置かれるであろう状況などについて考え、それらをカードにして配布しました。

必要なアイテム、取るべき行動について、

「赤:普段から持ち歩いておきたいアイテム」

「青:備蓄するアイテム」

「緑:行動」

の三つにカテゴライズし、「自分にとって必要なもの」のカードをピックアップしてもらいます。カードの裏にはアイテムや行動に関わる短いエピソードがあり、どういった場面で使うのかをイメージしやすくなっています。

最後にカードをリボンで束ね、持ち帰っていただきました。来てくださった方それぞれの防災に役立ててもらえればと思っています。

また、実際にSFCで被災した場合を想定し、あるSFC生を主人公にした"防災小説"『Days-After SFC物語』の冊子を配布しました。

以下に、冒頭部分を紹介します。

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 寝坊してしまった。家を出る時間ぎりぎりに目が覚めて、寝起きの悪い私はいつも以上に機嫌が悪い。

「朝ごはんは?」

「食べる時間ない!」

 バタバタと準備をして家を出る。今日は母に「行ってきます」を言わなかった。

 遅刻しそうなので、いつもとは違うルートで向かう。

《ごめん、遅れるから席とっといて!》

 急いで友人にLINEした。断煙と視線から小田急線に走って乗り換える。飛び乗ると同時に扉が閉まった。

 車内アナウンスが入る。

「まもなく長後、長後」

 よかった、遅刻せずに済みそうだ——

 ガンッ

 足元から不快な衝撃が突き抜けた。耳をつんざくようなブレーキ音。駅に近づいて減速していたとはいえ、体が投げ出される。一斉に鳴り響く緊急地震速報。緊急で呼吸が止まる。必死に手すりに掴まる。一段と大きな横揺れが来て悲鳴が上がり、何人かが床に倒れ込んだ。

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 ……いかがでしょうか。「30年以内に○%で大地震が起きる」などと言われることはあっても、実際に自分が被災したときに何をすれば良いのか、被災に備えて準備するものは何か、具体的に思い描くのは難しいものです。本来災害への準備とは、一人一人の事情によって異なるものであり、"自分ごと"として「物語る」ことが必要です。

カードも防災小説も、単に災害の危険性や防災の有効性を示すのだけでなく、それを「物語」のフレームで伝えること、一人一人が「物語る」ことに重点をおいて作成したものです。この記事を読んだ人も、「いつか起こる大きな地震」ではなく、「自分が災害に直面したら」ということを一度考えてもらえれば幸いです。


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