静岡大学の藤井ゼミと合同ゼミを開催しました。私たちは、防災”教育”を主軸に研究を進めているのですが、教育学部の先生から直接レクチャーを受ける機会は貴重で、大きな学びになりました。
講義の冒頭では、防災教育教材づくりの心構えについて教えていただきました。防災教育教材とは、その名の通り防災教育を行うにあたって用いられる教材のことです。防災教育を進める手助けをするものですので、その品質には常に気を配る必要があります。大木研究会でも、避難所運営のジレンマを疑似体験することができる「4コマ漫画教材」や身の回りの危険を判断する目を養う「写真で危険探し授業」、身体知を活かして身を守る力を習得する「ショート訓練」など、様々な防災教育コンテンツを公開しています。これらの教材の製作にあっては幾多の議論が交わされ、数々の配慮がされています。しかし、教育現場への導入を目指すためには「どの時限にやるか」まで訴えなければならないのだと痛感しました。さらに、発問の質が教育の質を左右するということを念頭に入れた設計が不可欠であり、「命を守る」のほかにも防災の意味合いを二重三重に考えなければならないといった、普段活字で学んでいる内容を生で聞けたことは、私たちにとっても大きなモチベーションにつながったと思います。 さらに、防災教育導入における障壁について、教育現場の視点に立った分析を聞くことができたことも非常に意義深かったです。先生の間で意欲・意識に格差があること、そもそもカリキュラム設計が逼迫していること、アンケートが良好な現状に満足するために
実施される傾向にあること、担当者を尊重して他の教員は口をあまり挟まない風潮があること、実績のない変革と実績のある実態の選択に迫られた結果、現状維持の選択がされることが多いことなど、様々な障壁を聞き、考えることは山々だと感じさせられました。 3時間近い長い講義も終盤へ。シメはやはり「じしんだんごむし体操」!! 現役大学生が本気で踊りました! とはいえ、本気になってもなかなか完璧に踊ることが難しいのがこの体操。 防災イベントで1度見ただけでマスターしてしまう子どもたちの学習能力の高さには完敗です(笑) (文責:小幡)
研究会の後は、湘南台にて藤井ゼミの皆さんとの交流会がありました。 この春学期から大木研究会に加わった新規生への歓迎会も兼ねた会となりました。
今回の新規生は5人。1年生から3年生まで個性豊かなメンバーが仲間入りしました。 SFCの「研究会」はいわゆる「ゼミ」のことですが、入学直後から参加が可能です。 そのため、さまざまな学年の、さまざまな視点やバックグラウンドを持った学生が、 同じ場所で研究を進めていくことができます。 他の大学や学部ではあまりみられない、SFCならではの環境です。 2013年にスタートした大木研究会は、この春学期がちょうど5年目の始まりです。 大木研究会では毎年春学期と秋学期に新規生を受け入れてきたため、今回の5人の新規生は「9期生」です。 これからの活躍に、期待がふくらみます!
そしてなんと、この交流会&新規生歓迎会からはSFCの黒田裕樹准教授も合流! 黒田准教授は以前は静岡大学にいらっしゃったのだそうです。 新規生はもちろん、その他の大木研のメンバーにとっても、とても新鮮な会になりました。(文責:薄井)