本日担当の齋藤です.
東北巡検2日目.私たちは気仙沼市にあるシャークミュージアムで,ガイドをお願いしていた”小泉海岸と津谷川の災害復旧事業を学び合う会”の阿部正人さんと待ち合わせをし,気仙沼と陸前高田市に建設中の防潮堤を見学しました.
防潮堤建設に対しては,様々な議論がこれまで行われてきました. 防潮堤を見た正直な感想を述べると,海育ちの私には防潮堤建設に賛成反対という議論以前に,ビーチに防潮堤があるということに強い抵抗感を抱きました.
しかしこの抵抗感は誰にでも当てはまるものではなく,その人がどのような環境の下で育ったのか等も強く影響していることが研究会メンバーと議論する中で分かりました.
実際,大木研究室のメンバー内では,初めて気仙沼に来た人,なんども気仙沼に来たことがある人,海育ちの人,山育ちの人,都会育ちの人などによって,防潮堤に賛成反対,防潮堤に抵抗感があるないの意見は大きく分かれました.
防潮堤の議論をする際に大切にすべきことは,抵抗感があるかどうか等の直感的な議論だけでなく,気仙沼の将来に防潮堤がどれだけ必要なのかを考えることであると感じました.とても難しい問題です.
東北から関東に戻ってきてからも防潮堤の必要性についてずっと考えていますが,自分の中で答えをだすことは未だにできていません.
以下の写真は,私たちがこの日に見学をした3つの防潮堤です. 写真で全てをお伝えすることは難しいと承知の上で,これからの気仙沼について考えてほしいという思いを込めて掲載をします.
1.気仙沼市朝日町の防潮堤 7.2m
2.気仙沼市唐桑海岸の防潮堤 11.3m
3.陸前高田市広田湾の防潮堤 12.5m
最後になりますが,お忙しい時期にも関わらず,私たちに貴重な学びの機会をくださった阿部正人さんに深く感謝いたします.